1800年に著された書物に登場するほど沼津のみかん栽培は歴史があります。明治初期から本格的に温州みかんが栽培されます。これ以来農家の方々の研鑽により、「西浦みかん」として人気を保ってきました。近年は、「寿太郎みかん」が沼津を代表するみかんとなりました。
沼津のみかんは、7月上旬の西浦のハウスみかんから始まり、翌年4月上旬の寿太郎まで、7ヶ月にわたり出荷されるほど、沼津のみかんのシーズンは長く、その時期ごとに味わいの異なるみかんが楽しめます。
「寿太郎みかん」は、西浦久連の山田寿太郎さんが、昭和50年、青島温州の枝変わりを発見したことから始まります。枝変わりになっていた果実の特長はとても優秀であることが分かり、山田さんの名前にちなみ、「寿太郎」と命名されました。温州みかんには、早生(わせ)温州と、晩生 (おくて)温州があります。
寿太郎みかんは、晩生温州の 中でも、最も遅く熟成する品種で、貯蔵性に優れているので、12月に収穫して貯蔵し、2月から3月にかけて出荷されます。貯蔵することで、風味がまして、酸味が抜けて、味が濃くまろやかになり、さらにおいしくなります。レギュラー品が出荷された後、厳選された果実を貯蔵し、より熟成させた「プレミアム」が3月下旬に出荷されます。さらに、平成21年には、冷風貯蔵技術を導入した生産者が「寿太郎プレミアムゴールド」を売り出しました。
普通のみかんの糖度は約10~11度。寿太郎みかんは、平均糖度が12度以上もあるのでその甘さは想像できますね。